適応障害やパニック障害、PTSDをはじめとする神経症は原則請求の対象にはなりません。認定基準に「その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として認定の対象とならない。」と記載されているからです。しかし、例外として、「その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。」と規定されています。ここでいう、精神病の病態は平成22年 5月31日の社会保険審査会の採決にて下記の通りとされています。
【採決】
①従来同様、患者・家族に告知した診断疾病名と異なり、正しい疾病名は精神病に属する疾病の集合である精神病圏に属する疾病名であるということ
②疾病は精神病圏に属しておらず、神経症圏に属しているが、その呈する臨床症状が、憂うつ気分や幻覚・妄想といった「準じて取り扱う」とされた躁うつ病や統合失調症と共通のものであること
③統合失調症ないし躁うつ病と共通の臨床症状を呈し、それによる精神障害の程度が、精神医学における「精神病水準」にあること
④統合失調症ないし躁うつ病と共通の臨床症状に限らず、精神疾患が示す臨床症状を呈し、それによる精神障害の程度が「精神病水準」にあること
⑤単純にその臨床症状による精神障害が精神病によるそれと同一レベルにあるということ
認められている事例も有りますが、とはいえ、全てが認められるという訳ではなく、審査次第であるということになります。また、適応障害からうつ病、パニック障害から双極性障害という様に、診断変更されていることも有りますので、担当医の先生にカルテに従って、何と診断されているかを、正確に確認するようにしましょう。
てんかんも原則対象にならないとしておりますが、それはてんかん発作のみで、抗てんかん薬の服用や外科的治療によって抑制され、精神病態を伴わない場合です。逆に言えば、発作が起きていない状態(発作間欠期といいます)に精神症状や認知障害の症状が現れた場合は対象になり得ます。こちらも担当医の先生にカルテに従って、障害年金の対象になり得るかをよく確認するようにしましょう。
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(精神の障害)
社会保険審査会採決(平成22年 5月31日)